認知症の方の物忘れへ対応

ご飯を食べたけど忘れる。先ほど食べたのに「ご飯はまだですか？」と聞いてくる。イラッとくる気持ちは分かります。

しかし、現実に、私たちがいる世界でご飯を食べているかいないかは関係ないのです。今、認知症の人は、私たちがいる世界におらず、認知症の方の世界で生活しているので、認知症の人からしてみれば、違う世界の人の話をされても困るという状態なのです。

無償でケアしている家族であれば、イラっとしたり、いい加減にして欲しいという感情をあからさまに表現して、認知症の方にぶつけてしまうのも仕方がないとは思います。

しかし、例え有償ボランティアのような少額な報酬しかもらっていなかったとしても、報酬を少しでももらっている介護者が「さっき食べましたよね」「ウソを言っている」「はぁ、また？」のような対応をしているのでしたら、介護職を辞めた方が良い。

違う世界に生きているので、認知症の方を、僕たちの世界に引きずり出すのはあまりにも横暴です。介護職であるならば、介護職が認知症の方の世界に行き、その世界でケアを構築すべきです。そうすることにより、認知症の方が癒されるのです。